「減税が歓迎されない国」

前回のブログ「戦いすんで・・・」では、先月の参議院選挙」を取り上げて各政党の公約について紹介しました。
選挙戦の主な争点の1つは物価対策であり、1党を除いて他の政党は「給付」か「消費税減税」を主張していました。もちろん国民の票を獲得できると信じてのことです。
本当に、「減税」は国民のためになるのでしょうか?
そこで今回は、「消費税」について一度立ち止まって考えてみたいと思います。

【減税が歓迎されない国】
◆「減税が歓迎されない国」とは」、ご想像の通り、北欧の国々です。
そこで今回は、スウェーデン人の「税金」に対する考え方を紹介しましょう。
【スウェーデン人の税金に対する考え方】
➀スウェーデン人は
「減税」というと、自分たちの「福祉」がカットされることをイメージします。
◆「福祉」は保育から介護まで幅広いので、福祉に関わらない人はいません。
福祉は国民全員のためになるものなので、自治体が市民から税金をを徴収して、その地域の福祉のために使われます。
◆そして、それはみんな目に見えるものになるので、国民にとって「税金」も「福祉」も身近なところにあるのです。このことが税金に対する意識の大きな鍵になります。
◆日本では「税金がどこに行くのか分からない。誰が税金を使って何をしているのか分からない」と在日30年以上、日本で働いt納税しているスウェーデンは話します。
スウェーデン人は税金を「預ける」と考えます。
それに対して、日本人は税金を「取られる」と言います。違いはどこにあるのでしょうか?
◆スウェーデンでは、福祉だけでなく教育も充実しています。
小学校から大学まで無料。税金を預けた結果、安心して子育てできる環境が提供されています。
このように
スウェーデン人は、税金を預けて得るものもあるので、納得した上で税金を払っているのです。
➂スウェーデン人はあまり貯金をしません。
一方、日本人は貯金をしようとします。その違いは何でしょうか?
◆結論を言うと、スウェーデンでは財政赤字が少ないからです。
「政府財務残高(借金)」(対GPD比)
が、1995年当時スウェーデンは日本よりも多かったのですが、その後減少し、現在は10%を切っています。財政健全化に取り組んだのです。
一方、日本は逆に財政赤字が増え続け、なんと200%を超えている現状です。
◆つまりスウェーデンでは、日本に比べたら財政赤字がないので、5年後、10年後でも持続的に税金を使って人に投資し、経済を成長させることができるのです。福祉が整っているので、貯金する必要がないのです。
このことが、税負担が高くても税金が必要なところに使われているという政府への信頼感につながっているのです。

◆ご感想はいかがでしたか?
最後に、「嫌税」と「政府への不信感」に凝り固まり、少し
でも減税を願う日本への解決策をいくつか挙げておきましょう。

➀財政赤字を減らす努力を続けること。
財政健全化を心がけ、経済成長を目指すのが政治家のやるべきこと!
※「これまで(政治家が)増税から逃げてきたツケがたまりにたまっているので、一気に改革するとショック死する。政治家の自覚と国民の自覚を一緒にしながらやっていくしかない」(元自民党税制調査会会長。野田毅氏の言葉)
※「財源は?」と聞かれると「国債の発行」と答える政党に投票しないようにしましょう!「打ち出の小づち」はありません!
②税金の見える化
※財源と税金の使われ方を見える化し、国民が納得して税金を払うことができるようにする、このことが、政治家・政府への信頼につながる。
➂「消費税」の名前を「付加価値税」に変えること。
※世界150カ国以上が「付加価値税」と呼んでいるのに、日本だけが「消費税」と呼んでいます。
このことが、政治家が増税から逃げ回る一因ともいわれています。
※機会があったら、「消費税」の名前の歴史について紹介しましょう。

◆いずれにしても、「減税」や「給付」を願ったり、喜んだりしているようでは日本の将来は期待できませんよね。
政治家に期待するよりも、まずは国民が自覚して「財政健全化」を要求して政治家を変える方が早いかもしれませんね。