想定外VS科学者魂
「想定外」という言葉は、政治家や責任逃れをしたい人たちによく使われます。
ところで、先日NHKラジオを聴いていた時に、この「想定外」と真逆の言葉があることを知りました。
そこで、今回はその言葉についてご紹介したいと思います。
【こんなこともあろうかと】
◆「想定外」とは真逆なことばだと思われる「こんなこともあろうかと」という言葉を教えてくださったのは、寺薗淳也氏(天文学者・情報学者)です。
◆寺薗氏は「はやぶさ奇跡の帰還」を例に取り上げ、「こんなこともあろうかと」という言葉はまさに科学者魂を表していると話しています。
【はやぶさの奇跡の帰還】
◆小惑星探査機「はやぬさ」はの地球への帰還は、日本の宇宙開発における「奇跡」ともいえる偉業でした。2010年6月13日、7年間の宇宙を旅した「はやぶさ」は、小惑星イトカワから採取したサンプルを搭載したカプセル地球に送り届け、大気圏に再突入しました。
この帰還は、数々のトラブルを乗り越えての達成であり、世界初の快挙として注目を集めました。
《数々の困難》
◆探査中、「はやぶさ」はエンジントラブルや通信が途絶えるなど数々の困難に直面しました。
しかし、研究者たちの懸命な努力と諦めない強い意志により、帰還への道を切り開きました。
◆「はやぶさ」の帰還は、単なる技術的な成功に留まらず、困難い立ち向かい、不可能を可能にする人間の力を象徴する出来事として、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。
【科学者魂】
◆「はやぶさ奇跡の帰還」を例に挙げて、寺薗氏が一番言いたかったことは次の事です。
➀「こんなこともあろうかと」とは、何かトラブルがあったときのことを考えて、それに備えて準備を徹底的に行っておくという科学者魂。
②考えに考え抜いて準備する。死力を尽くして準備する科学者魂は、技術者魂ともいえる。
➂決して諦めようとしない人間の辛抱強さが試される。
④信頼されるリーダーとリーダーに従うことができるメンバーの存在。
◆ご感想はいかがでしたか?
「想定外」とは、万一の場合の事を想定することができないということ。つまり、「こんなこともあろうかと」万一に備えて準備する能力が劣っていること。万一問題が起きた時の対応能力・解決能力が劣っているということですよね。
政治家や企業の責任者に限らず、人の上に立つ立場にある人は「想定外」という言葉を安易に使ってはいけないのではないのでしょうか。