「SDGsウエディングケーキモデル」

エコロジーとかリサイクルとか、最近では特にSDGsという言葉がよく聞かれるようになりました。
そのこともあって、最近は「江戸のSDGsに学ぶ~江戸庶民のエコ生活術」というテーマの講演依頼を受けることが増えてきました。しかし、単に江戸時代のことを理解するだけでなく、「江戸の知恵を現代に生かし、未来につなげる」ことが大切だと考えています。
そこで今回は、個別に捉えられがちなSDGsを総合的に判断できるように「SDGsウエディングケーキモデル」についてご紹介します。

【SDGsウエディングケーキモデル】
◆「SDGsウエディングケーキモデル」とは、SDGsの概念を表す構造モデルのことです。
スウェーデンのストックホルムにあるレジリエンス研究所の所長ヨハン・ロックストローム博士によって考案されたもので、SDGs17の目標を大きく「生物圏」」「社会圏」「経済圏」の3階層に分けて、それらの関わりをウエディングケーキの形に見立てて紹介しています。

《生物圏》
◆SDGsウエディングケーキモデルの土台となる1段目は「生物圏」です。
「生物圏」のキーワードは。「環境問題」と「気候変動」です。
「生物圏」には下記の4つの目標が配置されています。
(目標 6)「安全な水とトイレを世界中に」
(目標13)「気候変動に具体的な対策を」
(目標14)「海の豊かさを守ろう」
(目標15)「陸の豊かさも守ろう」
◆「自然環境」の土台が崩れれば、その上に成り立つ「社会圏」「「経済圏」は支えられません。

《社会圏》
◆SDGsウエディングケーキモデルの中間層は「社会圏」です。
「社会圏」のキーワードは、「健康」「差別・偏見」「教育」の3つです。
「社会圏」には下記の8つの目標が配置されています。
(目標  1)「貧困をなくそう」
(目標  2)「飢餓をゼロに」
(目標  3)「すべての人に健康と福祉を」
(目標  4)「質の高い教育をみんなに」
(目標  5 )「ジェンダー平等を実現しよう」
(目標  7)「エネルギーをみんなに そしてクリーン」
(目標11)「住み続けられるまちづくりを」
(目標16)「平和と公正をすべての人に」
◆「生物圏」の土台が完璧にできていても、社会制度による人々の生活保障が疎かでは、それ以上ケーキを重ねることはできません。

《経済圏》
◆SDGsウエディングケーキモデルの一番上の層は「経済圏」です。
「経済圏」のキーワードは、「経済成長」「働きやすさ」「技術革新」です。
「経済圏」には下記の4つの目標が配置されています。
(目標  8)「働きがいも 経済成長も」
(目標  9)「「産業と技術革新の基盤をつくろう」
(目標10)「人や国の不平等をなくそう」
(目標12)「つくる責任 つかう責任」
◆「生物圏」「社会圏」の達成なしに「経済圏」の発展はありません。

《頂 点》
◆SDGsウエディングケーキモデルの頂点を飾るのが(目標17)「パートナーシップで目標を達成しよう」です
この(目標17)では全世界の人々が手を取り合い、パートナーシップを組んだ持続可能な社会の構築が目指されています。

◆私たちは「生物圏」「社会圏」「経済圏」のそれぞれの役割と関連性をきちんと理解し、目標達成に向けて行動する必要があるのではないでしょうか。

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